| 乳糖不耐症 |
牛乳を飲むとお腹がごろごろカルシウムやビタミンDに富み、アミノ酸バランスもよく、子供の成長にはもちろん、 大人にとっても骨粗しょう症やイライラ(カルシウム不足で悪化!)を防ぎ、自律神経のバランスを 整えるスーパー食品・牛乳。ですが、「牛乳を飲むとお腹がごろごろする」という方がいます。 別にお腹が冷えるからではなくて、温めたものや、アイスクリームもだめというお気の毒な方まで...。 他に、お腹が張る、ひきつるように痛む、気分が悪くなる、下痢ぎみになるなどの症状が出る方もいます。乳児以外で出るこういう症状は、乳糖不耐症といって、別に牛乳にアレルギーがあるわけでありません。 小腸内でラクターゼ(別名:乳糖分解酵素)という酵素が十分に作られないために、牛乳や乳製品に多く 含まれる乳糖を消化することができないことによります。乳糖は消化されるとブドウ糖とガラクトース という2つの分子になりますが、このガラクトースが中枢神経系の完成に必要です。そのため母乳や 粉ミルクには、乳糖がしっかり含まれています。で、乳児期までは、小腸の粘膜でラクターゼが 作られるため、母乳を飲んでも平気です。しかし離乳とともに、乳糖不耐症の素因のある人では この酵素が少なくなっていくのです。 牛乳でごろごろするのは自然現象乳糖不耐症の素因のある方は、代々乳製品を摂り続けている北欧や西ヨーロッパの人では1割強ですが、 アジア人や黒人、アメリカ先住民、そしてヨーロッパでも地中海地方の人々ではなんと7〜9割が該当 します。世界全体でも、乳糖不耐症の素因のある方は約8割に及びます。ですから、乳糖不耐症は病気 ではなくて成長に伴う自然現象であり、全く素因がない方が珍しいともいえます。そういう意味で、 逆に素因がない方を「ラクターゼ活性持続症」と呼ぶ場合もあります。でも、「アジア人の7割以上? 周りじゃ自分だけだけど..」そうです。素因のある方が全員目立つ症状が あるというわけではありません(でなければ、日本の学校の給食に牛乳なんて出せません)。 素因のある方でも、幼稚園や学校で牛乳を飲んでいるうちには出ず、思春期以降にたまにしか乳製品を 摂らなくなったときに気づくことが多いようです。その中でも軽い人から重症までさまざまで、牛乳の せいだとはっきりわかる方は約2割です(周りのみんなが鈍感なんですね)。 子供なら少し気をつけて!でも早い方では離乳を始めた頃でも出ますので要注意(昔、どうしても給食の牛乳が飲めない子供に 無理強いさせる先生がよくいましたが、少し考える必要があったわけです)。また、母乳ではなく 粉ミルクや牛乳を摂るようになって間もなく出る子供では、一応牛乳アレルギーも疑っておく必要が あります(ちなみに、牛乳アレルギーは牛乳に含まれるたんぱく質が合わないもので、乳糖不耐症とは 別ものです)。それでも摂りたい乳製品牛乳や乳製品をやめれば乳糖不耐症の症状は消えます。そういう意味では、成人の乳糖不耐症は大して 危険ではありません。しかし牛乳はカルシウム、ビタミンDやB2、たんぱく質を効率よく補給できる 食品です。特に肉や魚をたくさん食べられない幼児期や妊娠中、年配の方(骨粗しょう症を防ぐためにも) ではこれらの栄養素の重要補給源ですので問題です。これらの栄養素を比較的よく含む上、見た目も味もいくらか似ているため、豆乳が代用品として用いられる ことが多いようです。ただしアミノ酸バランスが牛乳より劣り、単独ではメチオニンやシスティン が不足しますので注意しましょう。それに豆乳には乳児に必要なガラクトースが含まれないので、 離乳が終わる前に出た場合は牛乳アレルギーも視野に含めて小児科に相談し、専用の粉ミルクを 使いましょう(牛乳アレルギー用の粉ミルクと乳糖不耐症用の粉ミルクは違います)。 なお、以下の乳製品なら大丈夫という方もかなりいます。
これは、摂った乳製品をえさにして乳酸菌やビフィズス菌などが腸内に増えるためのようです (いわば、お腹でヨーグルトを作っているわけです)。ですから、少量のはっ酵乳製品からはじめ、 次に牛乳を少しずつ料理の中に加えて使うようにして慣らしていくと、 やがて飲んでも大丈夫になる方もいます。このとき、初めのうちに使うはっ酵乳製品は、 「生きたまま菌が届く」と書かれているものの方が早く効果があがるかもしれません。 *おまけ*
乳糖不耐症のある方は、医療機関にかかるときや薬局ではそれを
医師や薬剤師に伝えておきましょう。 |